トリビア・3 (トリビア/
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サイボーグ009が発表される以前、加速装置のスイッチを歯に内蔵したサイボーグがいた。 60へぇ
「サイボーグ009」も不朽の名作ですが、「虎よ、虎よ!」も非常に面白い作品です。
機会があったら是非読んでみてください。
サイボーグ009が・・・
サイボーグ009が発表される以前、加速装置のスイッチを歯に内蔵したサイボーグがいた。 60へぇ
*確認○リビア* | ||
石ノ森章太郎(当時 石森章太郎)氏の「サイボーグ009」が「週間少年キング」で発表されたのは1964年7月。9人のサイボーグが各々の特性を生かして強大な悪の組織と戦うという話は40年経った今でもこんな辺境サイト管理人の心を捉えて離さない。 そして、最高性能の009(島村ジョー)が奥歯を噛みしめることで加速状態に入るシーンはあまりにも有名である。 その009と同じ性能をもつサイボーグは「虎よ、虎よ!」(1956年 アルフレッド・ベスター作: ちなみに某球団とは一切関係がありません。)の主人公ガリー・フォイル、その人である。 この話のあらすじは下記で紹介するサイトに譲ることとして、フォイルの改造された状態および加速する場面を読んでいただきたい。 彼がサイボーグであることを記述した箇所 | ||
フォイルは火星襲撃旅団の主任外科医に二百万Cr(注1)の金を握らせて、非常に戦闘的な肉体になる変形手術を受けた。全神経叢が入れ換えられ、顕微鏡的なトランジスターや変圧器が筋肉や骨のなかに埋没され、こまかいプラチナが脊椎の基盤に插入されていた。フォイルはこれに豆ぐらいの大きさの力函をつけてスイッチを入れた。鉄の肉体はほとんど機械的に内部で電子振動をはじめた。 「人間よりずっと機械に近い。」彼は思った。 | ||
早川書房 世界SF全集18 ベスター「虎よ、虎よ」中田耕治訳 P112からの引用 注1 引用した本では「C」に縦線が入っていました($のように)。表記できないためCで代用したことをご了承ください。 | ||
加速する場面 | ||
一歩後退して、舌で上の門歯を押した。全神経系統がうなりをあげて活動を開始し、身体のありとあらゆる感覚や反射が五官の一つによって加速された。 その効果はただちに外部の世界の活動を一瞬にして極度のスロウ・モーションにすることだった。音がきわめてこまかく分解してしまう。色はスペクトルを赤にしてしまった。襲撃してきた二人は夢のようなもの倦い不活発さで彼のほうに向かってただよってくるような感じだった。いっさいの外部が緩慢になるのに対して、フォイルの活動は眼にも止まらぬ早さだった。彼は自分にむかってすこしずつ進んでくる打撃をかわし、その男の背後にまわりこみ、ぐいっとつかみあげて居間の穴をめがけて投げつけた。もう一人の男も投げつけた。フォイルの加速された感覚にとっては、彼らのからだはゆっくりと漂っているような感じで、しかも宙にフワリととび出して手を少しずつ前に出し、口からは重く固まった音が出てきたようだった。 同書P114からの引用 | ||
確かに、加速している。 |
*補足○リビア* |
ちなみに、「虎よ、虎よ!」がギャラクシー誌に発表された当時、1956年には驚くことにサイボーグという言葉が生まれていなかった。 サイボーグ(CYbanetics ORGnismの略)の言葉を生んだのはアメリカニューヨーク州立ロックランド病院の医師、マンフレッド・クラインズとネーザン・クラインで1960年のことである。 その僅か4年後にサイボーグ009は発表されている。 |
*参考文献 サイト* |
世界SF全集18 ベスター「虎よ、虎よ」 中田耕治 訳 (早川書房 1970年) 新世紀未来科学 金子隆一 著 (八幡書店 2001年) ハヤカワ文庫SFデータ ttp://homepage1.nifty.com/HAG03057/sf0300/sf0277.htm |
「サイボーグ009」も不朽の名作ですが、「虎よ、虎よ!」も非常に面白い作品です。
機会があったら是非読んでみてください。
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