微睡み(おまけ)fromまっくさま (いただきもの/
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「ほらほら、じっとして・・・」
「だって、くすぐったいんだもの、ジョーったら・・・ウフフ・・・♪」
・・・結局、2人は何度も代わりばんこにマッチ棒を睫毛に乗せっこしていた。
あれ以上、記録が伸びる事もないのだが、なぜかムキになって頑張って(?)しまっていたのだ。
傍から見たらこの2人、絶対、何か誤解を受けると思うが・・・
「う~~~ん、データも順調に集まったし、まあ、いいじゃろうて。
次は・・・と、そうじゃ、頼まれとった人工臓器を使用した内臓器官との融合及び拒否反応緩和についての論文を書かなきゃなー
は~、ヤレヤレ・・・・ちっとも終わらん・・・<て、終わらせようとか思ってます?ギルモア博士?
どれ・・・少し、小休止しようかの・・・」
こういう時に限って、間がいいっつーか、悪いッつーか・・・
朝食後、ずっと研究室に籠もっていたギルモア博士は、いい区切りがついたのか、コーヒーでも飲もうかとリビングへと向かう。
すると、楽しげな声が聞こえてきた。
「ふふっ・・・やぁだ、ジョーったら・・・♪」
「ほら、この乗せ方の方がたくさん乗るって!」
「そんなにムキにならないでよ・・・きゃんっ!」
何やら、“若夫婦”状態の2人が楽しそうに時を過ごしている・・・そんな気がして、博士は思わずほくそ笑んでしまった。
「ほっほ・・・ いつも仲が良いのぉ・・・ イイコトじゃわい。」
などと、微笑ましく思いながら、リビングに顔を覗かせた。
「フランソワーズ、すまんが、コーヒーを・・・」
ギョッ!
ドアを開け、紅一点の彼女に頼もうと口を開いた瞬間、目の前に繰り広げられた光景に、思わず固まってしまった。
「あん!くすぐったいったら・・・♪」
「ほら、そんなに力入れちゃダメだって・・・」
「だってぇ~・・・ ヤン、もうジョーったら・・・♪♪」
そこには、イチャイチャ、クチュクチュしているジョーとフランソワーズ・・・
ソファーに半分乱れたような形で腰かけている彼女に、覆い被さるジョーが何かしている。(ように見える)
「・・・・・・・////」
若いっていいなぁ~・・・・昼間っから♪(<違う、違う!)
じゃなかった・・・・
2人が“仲良し度を上げている”
少なくとも、博士にはそう見えて、言葉を失ったまま、血圧・体温が、怒濤の勢いで上がっていくのを感じていた。<危ないッス!
「・・・・~~~~・・・////」
「あ、博士・・・」
「え?」
そんな、金縛りにあっている博士に先に気付いたのはフランソワーズ。
その声にジョーも振り向き、何の気なしに声をかけた。
「博士、研究は一段落したんですか?」
本人達は、いたって“やましい事”がないので、ニコニコと爽やかな笑顔で語りかける。
だが、声掛けられた方は、どんな顔して良いのやら、どう答えていいのやら・・・
何だかひどくバツが悪いような感じがして、何とか、声を絞り出した。
「あ・・・あの、その・・・・コーヒーをもらおうと思って、きたんじゃが・・・」
「あ、コーヒーですね。すぐ淹れますわ」
即座にフランソワーズが反応し、ソファーから立ち上がって自分の方へ来てくれようとする。
慌てて手を振り、それを制した。
「あ、いや、いいんじゃ、いいんじゃ! そのままで・・・」
「は?」
「わしの事は気にせんでいいから、続けなさい。」
「へ?」
言われている事がいまいち理解できず、ポカンとマヌケな返事を返す、フランソワーズとジョー。
博士は、捲し立てるような早口で言った。
「取り込み中だとは知らんかったんじゃ。そうそう、これから2,3日研究室に籠もるでの。 食事とかも、適当に済ますから、心配しなくていいから・・・」
「「あの・・・」」
「じゃ、邪魔したの・・・!」
バタン・・・
「「????」」
まるで逃げるように、リビングから一目散に引き上げていってしまった。
しばし呆然と、閉まってしまったドアを見つめながら、ジョーとフランソワーズの頭の中では今の状況分析が開始されていった。
『わしの事は気にせんでいいから、続けなさい。』
『取り込み中だとは知らんかったんじゃ・・・』
『じゃ、邪魔したの・・・!』
博士の言った言葉と、自分達が置かれていた状況と・・・おそらく、補助脳までフルに使って分析がなされていた事であろう。
(博士のあのセリフは何だか・・・)
(僕達、何か変な事してたっけ? ん・・・まてよ・・・ 博士が立ってたあの位置から見えた状況って・・・)
結果・・・
「「あっ!」」
2人は同時に声をあげ、博士を追った。
「ご、誤解です!博士~~~~ッ!!」
「僕達は、そんな・・・ まだ、してません~~~~っっ!!」<じゃあ、これからするんかい!(何を?)
しかし、ジョーとフランソワーズがいくら弁明しようとしても、博士が研究室から出てくる事はなかった・・・
*** ***
それから―――
ちょっとしたハプニング(?)はあったが、ジョーとフランソワーズはすっかり“マッチ棒の睫毛乗せ♪”に嵌ってしまった。
これがどういう事になるかというと・・・
<犠牲者その1:ピュンマの場合>
連日、ギルモア博士にこき使われたのか、うっかり(?)リビングのソファーで寝こけてしまった時だった。
「あ! ジョー、ジョー、見て・・・(小声)」
「お♪ やる?」
「やりましょ♪♪」
怪しい笑いの悪魔が2人・・・
どこから調達してくるのか、いつの間にか増えていた、今度は黄色い先っぽのマッチ棒を握っていた。
「1っぽ~ん、2っほ~ん・・・」
さっそく彼も、マッチ棒を乗せられる。
しかし、歴戦の戦士・ピュンマである。
怪しい気配に気づき、意識が覚醒する前に相手(ジョー)の手首を掴んで、思わず投げ飛ばした!
「フンッ!」
「うわっ!」
投げられた方も、そこはそれ、“009”である。
体がフワリと浮く感覚に、咄嗟に受け身を取ろうと回転し、☆華麗に☆ 着地。
「ふ~、危ない危ない」
額の汗を拭いながら、ピュンマの方に向き直る。
当然といえば、当然だが、彼からは抗議の声が上がっていた。
「ジョー! 何してんだよっ!! 人が寝ている時にッ!!」
「何って・・・ ちょっと確認を・・・・」
「何の確認だよっ!」
「いや、ピュンマも(“も”だけ強調)睫毛長いなぁ~って・・・」
「何? 睫毛??」
「うん。きれいに睫毛長いから、マッチ棒何本乗るかな~・・・って・・・」
「あのな・・・・」
ピュンマの剣幕に、何となく後ずさりながらも、正直に事情を説明する(?)ジョー。
その素直さに、眩暈を覚えつつ、あまりに無意味な行動に、更に声を荒げた。
「何が、睫毛だ! 人の顔で遊ぶなっ!!!」
「だ、だよね・・・・ごめ・・・」
「お願い、ピュンマ。計らせて♪」
ジョーが素直に謝ろうとした時、フランソワーズが割って入る。
持ち前の蒼い瞳をキラキラうるうるさせて、ピュンマに“お願い”した。
(う・・・)
「ごめんなさい・・・睫毛にマッチ乗せるなんて、くすぐったいわよね?
でも、今、まつげの長さ計るの・・・マイブームなの♪ だから、お願い! 計らせて♪♪」
(ま、マイブームって・・・・)汗
「お・ね・が・い・♪」
「・・・・」
仲間とはいえ、彼女ほどの美少女に潤みがちな瞳で間近でお願いされたら、さすがのピュンマも断りにくい。
本心をいえば嫌だし、バカバカしいが、それほど大した事ではない“お願い”に、彼は折れた。
「・・・わかったよ・・・」
「きゃあ♪ ありがとうピュンマ♪♪」
フランソワーズは嬉しそうに、彼に抱きつく。
仄かに漂う彼女のコロンの薫りにドキリとして、ちょっと嬉しい。
だけど、そこまで。
その後は、ジョーの手によって、睫毛にマッチを乗せられた。
「1っぽ~ん、2っ・・ほ~~~~ん・・・・・・・ 4っっほんっと・・・! ご・・」
バラバラバラ・・・
彼の手には怒りが込められていたとか、いなかったとか・・・
ピュンマ:結果4本←結構長い・・・・
<犠牲者その2:ジェロニモの場合>
ピュンマの失敗(?)も踏まえて、彼には素直にお願い。
快く(??)承知してくれた。←つーより、彼にはそんな小さな事、どーでもいい
「1っぽ~ん・・・・2っほ~~~ん・・・3・・・・」
バラバラバラ・・・
ジェロニモ:結果2本
<犠牲者その3:ジェット>
はっきり言って、ジェットは絶っっ対!(力いっぱい)
文句垂れる。
一筋縄ではいかないのも、わかっている。
「どうする?」
「どうしよう・・・・」
「ジェットにも、素直に頼む・・・って訳にはいかないよな~・・・高くつきそうだし」<何が?
「そうよね~・・・でも、ちょうどいい具合に、今ジェットひとりなんだけど・・・」
で、一計を案じた。
「そうだ! こんなのどぉ? あのねぇ~・・・ゴニョゴニョ・・・」
その方法とは・・・
*** ***
「いくよ。」
「おお!」
Ready Go!
シャァァァァ・・・・
ジョーカーを抜き、赤と黒に分けた52枚のトランプを、それぞれが手に持ち、シャッフル。
その中の4枚を前に出した後、ゲームを開始。
直後から、目まぐるしい早さで2人の手が滑り、間にしつらえた2枚のカードがみるみる山と化していく。
お馴染みの“スピード”である。
===================
リビングで暇そうに、ぼぉ~っとしていたジェット。
お茶に誘うフリして(?)ジョーは近づいた。
「君も飲むかい? コーヒー」
「お! 気が利いてるじゃねぇか。もらうぜ」
「いや、なに・・・僕も、ちょうど飲みたくなってね。あ、クッキーもあるよ。フランソワーズが焼いてくれたんだ。」
「おお、Thank you!」
適当に、コーヒーブレイク。
適当に会話して、彼を陥れ・・・もとい・・・誘(いざな)う。
「・・・暇そうだね、ジェット・・・」
「ん? まーなー」
「これから、何か予定でもあるの?」
「ねーよ。あったら、とっくに出かけてるって。」
「それもそうだね・・・」
「あーあ・・・やる事ねえなぁ~・・・ ビデオでも借りてくっかなー・・・」
「・・・」
しばしの沈黙・・・
会話が途切れ、何となく機会を伺い、ジョーは切り出そうと、あくまで自然な流れで、話を持っていこうとしていた。
「ビデオ・・・ねぇ・・・ 今、良いのあるのかな?」
「さあな。でも、行きゃあ、何かあんだろ?」
「まあね・・・」
「でも、ビデオ屋に行くのも面倒くせぇなー・・・ 何か、面白い事はねぇかな~」
「・・・・」
チャンス到来・・・!
ジェットのひと言は、渡りに船。
さり気なくコーヒーカップを置いて、ジョーは言った。
「・・・・じゃあさ・・・
トランプでもする? 実は、僕も暇なんだ」
「トランプねぇ~・・・
今一、乗り気がしねぇな~・・・ ポーカーもブラックジャックもやり尽くしてっからよ。俺。
それに、カブも飽きちまったし・・・ 2人でトランプってのも不毛じゃないか?
今更、ババ抜きとか、7並べって歳でもねえんだし・・・」
「う~ん・・・まあ、それもそうだね~」汗
(ジェットが言うゲームって、やっぱり・・・賭け事ばっかし! 今までの生活が忍ばれるよな~・・・・シミジミ
だけど、このまま引き下がるわけにはいかない。
“睫毛計り”がかかってるんだし! とはいえ、どう切り出そうかなー・・・)
―― 回想;フランとの内緒話 ――
『そうだ! こんなのどぉ?
あのねぇ~・・・ジェットをカードに誘って、負かすの。それで、罰ゲームだと言って、彼の睫毛にマッチを乗せる。
グッドアイディアだと思わない?』
『う~ん・・・確かに、良いアイディアだと思うけど・・・ 勝てるかなー
ジェット、賭け事はめちゃくちゃ強いからなー。僕、いっつもカモだし・・・』
『何、言ってんのよ! こういう時こそ、頭を使わなくっちゃ!
ジョーにだって、ジェットより強いゲームあるでしょ? そういうのに、引っ張りこんじゃえばいいのよ。』
『ああ、なるほど!』
ポンッ!・・・と、手を叩く
『でも・・・僕がジェットより強いのって、神経衰弱とか、ババ抜きだよ。(神経衰弱は、どこのカードが何だったかっていうのを覚えていられない、ジェット。ババ抜きは顔に出てしまうジェット)
乗ってくるかな~』
『・・・・』
(神経衰弱、ババ抜き・・・汗
ジョーって、そういうのが得意なんだ・・・・
それは、あんま乗ってこないかも・・・(-"-;)
とっても健全なジョーの発言に、フランソワーズは唖然とした。
片や不健全きわまりないジェットが、そんな子供だましのゲームに乗ってなどこないだろう事は、大いに予想がついて、ちょっとクラクラ。
だけど、今の状況は絶好の機会といってもいい訳で・・・お鉢を回してしまった。
『と、とにかく、どうやって引っ張り込むかは、あなたが考えて。
じゃ、私、ティータイムのお菓子、作るから・・・』
『・・・しょうがないな~・・・』
―― 回想おわり ――
ジェットは熱く語る。(暇なので・・・)<そーなのか?
「なんか・・・・
エキサイティングなことがやりてぇよ!
こう、ワクワクと胸が躍るってーの? ずっと大人しくしてたら、体にカビが生えちまうぜ。」
「エキサイティング・・・ねぇ~・・・」
ジョーは彼の言葉を聞きながら、ボンヤリと考えて・・・
ピンッ!と何かを思いついた。
(そうだ、これだ!)
「・・・ねえ、ジェット。 “スピード”って知ってる?」
「スピード?」
「うん・・・速さを競う、トランプゲームなんだけど・・・ やった事あるかな?」
「いいや。そんなの、今、初めて聞いたぜ。」
「日本では、割とポピュラーな遊びなんだけどさ。これが燃えるんだよねー
単純な分、力はいって・・・」
「へー・・・ “スピード”・・・ねぇ~・・・
で? お前は強いのかよ。」
「うーん、そうだなぁー・・・ “スピード”で負けた事って・・・・ないなぁ~・・・」
「ほぉ・・・」
元来、ジェットは負けず嫌いである。
それも、相手がジョーとなると、同じ歳、似たような境遇、同じ性能を持っている・・・という事が絡むのかどうかしれんが、俄然、闘志が湧く。
この時も、そうだった。
「やろうぜ。それ。」
「え?」
「その“スピード”って奴。 お前強いんだろ? 」
「・・・まあね・・・」
「いいじゃん。名前も“スピード”なんて、何だかイケてんじゃん!
そうとうエキサイティングなゲームと見た!
やろうぜ。どうせ暇なんだしよ。」
「・・・いいよ・・・・」
ニヤリ・・・(邪笑)
===================
シャァァァァ・・・・
案の定、ジェットは誘いに乗り、ジョーとバトルを始めた。
すごい勢いでカードが飛び交い、1進1退の攻防。
火花散る熱戦が繰り広げられた。
(13,1,2・・・ 11・・・・)
シャッ、シャッ バシッ、パシッ!
(5,6・・よし! 8!)
シャッ! バシッ!
お互い、(色んな意味で)スピードにかけては、自信がある。(加速装置あるから?)
ジョーがカードを出せば、負けじとジェットもカードを繰り出す。
こういうゲームはジェットの性に合っているようで、すぐに夢中になった。
だが・・・
「2,9! 終わりッ!」
「ああ、くっそぉぉぉぉ~~~~!! 」
さすがに1回戦は、経験が物を言ったのか、ジョーが勝利。
ジェットは悔しそうに頭を抱え、また、すぐに詰め寄った。
「もう1っ回やろうぜ! もう1回!
ジョー、リベンジだ!!」
「いいよ。勝負は3回の約束だからね。
今度も負けないよ。」
「抜かせ! 俺だって、負けねーよっ!」
「ようし・・・」
Ready Go!
===================
『・・・わかった? ルールは簡単だろ?』
まんまと嵌ったジェットに、ジョーはルールを説明した。
そして、場が整えられた。
『ああ。
こういう単純なの、好きだぜ。俺は。
じゃあよ。何賭ける?』
『もう、ジェットはすぐに博打にしちゃうんだもんなぁ~・・・ハァ~・・・』
(予想通りだけど・・・)
『・・ったりめーよ! 何かを賭けてこその、カードの醍醐味だろうが!
そうだな~・・・ じゃあ、負けた方が、勝った方の言う事を聞くっていうのはどうだ?』
『仕方ない・・・その条件でいいよ。
じゃあ、勝負は3回で、2回勝った方が勝ちね。』
『おう、いいぜ! じゃ、さっそくやろうぜ!』
===================
シャッ、シャシャッ! バシッ!
2回戦も2人は真剣で、ここぞとばかりにカードを出す。
お互い、手の動きも速いので、目にも止まらぬ速さだった。
そんな中・・・
「3,6,10っ、と! あがりっ!!」
「あっ、あ~~~~~~っ!」
ここへ来て、運が向いたのか、元々賭け事が得意だからなのか、タッチの差で、ジェットのカードがなくなった。
「へへん、どうよ! 俺の実力は♪」
得意満面に、鼻を鳴らす。
「くっそ~~~~!! この僕が、初心者のジェットに負けるなんて~~~。
よし、最終戦だ!」
「望むところだ。決着をつけてやる!」
再びバトルが開始された。
で?
・・・・・・・・・・・・・・・・
「よ・・・」
「4っ!」
一瞬速く、ジョーのカードが滑り込む。
ジェットは無駄になってしまったラストのカードを握り締めたが・・・ジョーに負けてしまった。
「あっ、くそっ!! ずるいぞ、ジョー!!」
「ずるくないよ。僕の方が速かったんだから♪」
お互い同じ数の札がラスト1枚だった。
そのカードを出した時、本当にコンマ.0001秒くらいの差でジョーの方が、一瞬速かったのである。
完璧にフェアな勝負だったのだが、とりあえず「ズルイ」と言うのは、誰にでも出る言葉だろう・・・
「うぅ・・・ くっそぉ~・・・」
「僕の勝ちだね♪」
今度はジョーが、鼻で笑うような不適な笑みをジェットに向ける。
悔しかったが、勝負は勝負。
「じゃあ、僕の言う事聞いてもらうよ」と言うジョーに、諦めたように呟いた。
「仕方ねーな・・・」
そして!
「1ッぽ~ん、2・・・あれ?」
バラバラ・・・
ジョーの手にはマッチ棒が握られ、ジェットの睫毛に乗せられていく。
が、見た目、とても長い彼の睫毛だが、収まりが悪いのか、マッチ棒を乗せると、すぐに落ちてしまった。
「あれぇ~・・・乗らない・・・
こんなに長いのにぃ~・・・」
「・・・お前、何してる・・・?」
間近に迫るジョーの顔を見ながら、ジェットは尋ねた。
「何って・・・睫毛に、マッチ棒乗っけてるんだけど?」
「何で?」
「睫毛の長さ計る為にさ。さっき、そう言ったじゃないか。」
「確かにそう言っていたが・・・睫毛の長さ計るのに、何でマッチ棒なんだよ! 普通、メジャーとか使わねぇか?
そもそも、何で睫毛の長さ計る必要があんだよ!」
「だって・・・」
「だって?」
「マイブームだから・・・・♪」
=================
「じゃあ、僕の言う事、聞いてもらうよ」
「わかったよ・・・」
勝負に勝って、ジョーは誇らしげに言い、どこからかマッチを出してきた。
「僕がしたいのは、君の睫毛を計る事だ。いいね?」
「仕方ねーな・・・俺が負けたんだし・・・」
「じゃ、やるね♪」
そうして、彼はジェットの睫毛にマッチを乗せ始めた。
=================
「マイブームだから・・・・♪」
「はぁっ?! マイブームぅ?」
「そ♪ 僕とフランのマイブームなんだ♪♪」
「おい・・・っ!」
邪気のない笑顔で、ニッコリ答えるジョーに、思わず脱力しながら、突っ込むジェット。
だが・・・
「じゃあ、何か? 俺はお前らの娯楽の為に・・・」
「おぉ~い、フランソワァ~ズ~」
「はぁ~い♪」
文句言おうとした途中で、ジョーはフランソワーズを呼んだ。
フランソワーズの方も、実に軽やかな返事をかえして、リビングに顔を出した。
「なあに、ジョー?」
彼らは実に楽しげに・・・
「あのね、フランソワーズ。 ジェットの睫毛長いんだけど、マッチ棒乗らないんだ。
どうも、角度が悪いらしくて・・・」
「あら~・・・」
その顔は悪魔だった・・・(^◇^;)
「お前ら・・・人で遊ぶんじゃねーよ!」
「どうしよう・・・」
「じゃあ、いいものがあるの。ちょっと待ってて」
「おい!」
聞いてねーし・・・(-"-;)
ジェットの抗議もむなしく、この(バ)カップルの間では話が進んでいく。
程なくして、フランソワーズはある化粧道具を手に、戻ってきた。
「これ使えば、ジェットのまつげにマッチ乗るわよ♪」
「へぇ~、良いもの持ってるね♪ でも、どうやって使うの?それ?」
「それはね~・・・」
迫るフランソワーズ。
その手にはビューラーが握られ、ジェットに近づいていった。
このときになって、ようやく、なにをされるのかがわかったジェット。
あわてて、彼女を制した。
「ち、ちょっと待て!
お前ら・・・ひょっとして、最初から仕組んで・・・?!」
「フフ・・・諦めて、ジェット♪」
「わ・・・わわっ・・・・や、やめろーーーーーーーっ!!!」
バッチン☆
かくして・・・
きれいにカールさせたジェットの睫毛に、マッチ棒が乗せられる。
目もパッチリで愛らしく整えられ、男前がぐんっ!と上がった・・・かな?
(シクシクシクシクシクシク・・・・・)
「1っぽ~ん・・・2っほ~ん・・・・3っぼ~ん♪ 4・・・」
バラバラバラ・・・
ジェットのまつげも、無事、測定終了。
結果3本♪←やっぱり、ジョーのライバルだね
<犠牲者その4:張々湖>
彼は見るからに睫毛が短い。
だから・・・
バッチン☆
「ぎゃーーーーーーーーーっ!」
最初から、ビューラーを使い、睫毛を挟んだ。
・・・つもりだったけど、あまりに短すぎた為、瞼を挟み込んでしまい、腫れてしまった。←これは痛いぞ!
そして、その腫れた瞼に辛うじて、1本、乗った・・・らしい
結果:1本(オマケ)
<犠牲者その5:グレート・ブリテン>
そ~っと、そ~っと・・・
熟睡中の彼の睫毛に乗せようとした、ジョーとフランソワーズ。
が、
グニョニョン、ぐにょ~~ん
「わ、わ・・・!」
グレートは寝ぼけて変身を繰り返す。
おまけに、
「大いなる下僕達よ!」
いきなり起きあがって、デカイ声で寝言は呟くは(呟くっていうのか?)、寝相は悪いは・・・
「・・・~~~~・・・・」
「・・・~~~~・・・・」
何度か、チャレンジしてみたものの、じっとしてないもんだから、乗せる事もかなわず・・・
結果:測定不能
<最後は大取:アルベルト・ハインリヒ>真打ち登場???←何がや!
ガキンっ! ゴキンッ! バチッ! ばっちんっ☆
ジェット以上に手強いアルベルトには、夕食時に1服盛って(<おい!)、すべての武器の安全装置をロックする事から始まる。
彼に悪戯するのは正に命懸け。(スリルあるな~)
武器のロックがすべて終了し、ジョーとフランソワーズは顔を見合わせていた。
「「うんっ!」」
ガッツポーズと共に気合いを入れる。
2人はさっそく、マッチ棒を握った。
「早くしないと、目が覚めちゃう・・・1っぽ~ん・・・」
「そうだね。アルベルトには、あんま薬効かないからなー・・・2っほ~んん・・・」<よくやってるのか、こういう事?
「3ぼ~ん・・・」
「3・・・」
バラバラ・・・
「あ・・・こっち、落っこちちゃった」
「こっちは、まだ乗ってるわ。」
左右に分かれて、アルベルトの睫毛にマッチを乗せていたが、片方のマッチが落ちた際、彼の手の甲に当たった。
パチッ☆
そして、目を開けた彼と、バッチリ顔が合ってしまった2人だった。
「・・・・お前ら、何してる?」
「あ、あら、アルベルト・・・・おはよう・・・」
「目、覚めたんだね・・・」
通常より低い声で問う彼に、引きつった笑いを浮かべ、とりあえず言葉をかけるフランソワーズとジョー。
その瞬間から、気付かれないように、退却の構えに入った。
「何してると聞いている。」
「何って・・・・ねぇ・・・・」
「大した事じゃないよ・・・」
ジリッ・・・
1歩、足を引いた。
「大した事じゃないなら、言えるだろう?
何をしていたんだ?」
「え、えと・・・ちょっと確認を・・・ねぇ、フランソワーズ・・・」
「そ、そ。ちょっとした確認よ、確認・・・」
ジリリッ
また1歩。
「確認? 何の!」
「あの・・・その、アルベルトの睫毛を・・・・」
「どのくらいの長さかなー・・・て。」
ジリリ、ジリ・・・
「何で!」
「え、えと、あの・・・」
「その・・・・マイブームだから・・・」
「マイブームゥ~?!
「そ、そそ・・・今、流行ってるんだ。」
「ね、大した事ないでしょ・・・」
ジリ、ジリ、ジリ・・・
「お前ら・・・・!」
ジリッ、ジリリッ・・・
用意!
「人の顔で遊ぶな――――――――――――っっ!!!!」
スタート!
「きゃあぁぁぁーーーーーーっ・・・!」
「ごめんなさいーーーーーーーーーっっ!!」
ジャキッ!
間髪入れずに、マシンガンが向けられる。
絶対こうなる事を予測していた2人は、後ずさりで距離を稼ぎ、ダッシュして逃げた。
ガチッ! カチッ! カチッ、カチッ☆
「チッ!」
アルベルトは向けたマシンガンが空振る音を聞いて、彼らがロックまで仕掛けていったのに気が付いた。
「あいつら・・・・ こういう時だけは用意周到だな・・・」
もう、溜息つくしかなかった。
結果:右が3本、左が2本
・・・こうして、2人は睫毛計り作戦(?)を終え、マイブームの完成という成果を得るにいたり、大いに満足したという・・・<迷惑!
(蛇足)
アルベルトが、ギルモア研究所の廊下で、ジェットとすれ違ったときのこと・・・
「ん・・・・?
ジェット、お前、最近目がパッチリしたんじゃないか?」
ぎくぅっ!
「・・・・突っ込んでほしくなかったぜ・・・」(超小声)
(お終い)
<<本編
+まっくさまより+
す、すす、すみませ~~~~ん!!
更におバカな話になってしまいました。(しかも、オマケの方が長いし・・・)
ピュンマファン及び、ジェットファン、アルベルトファンの皆様にはお詫び申し上げます<(_ _)>
でわっ!(遁走)
+お礼+
まさに、王道・・・・。えぇ、まさに
バカップル!!!
誰も気にしないような些細なことを徹底的に追求する姿は、さすがギルモア博士の助手を しているだけのことはありますね。<ジョー君
お嬢さんも平成版では「理系の女」。 データにこだわる辺りがすばらしい。 後日、睫毛性質と耐荷重に関する相関を数式に表したに違いないのです。
さらに彼女は長い睫毛の代名詞、ジェットのふがいない成績に満足しているはずはなく、 自ら導き出した法則に沿って、ジェットの次回メンテナンスでは睫毛材質の見直しを 博士に迫ることでしょう。
まっくさまほんとうにありがとうございました!
おまけもいただきました~~~♪
「ほらほら、じっとして・・・」
「だって、くすぐったいんだもの、ジョーったら・・・ウフフ・・・♪」
・・・結局、2人は何度も代わりばんこにマッチ棒を睫毛に乗せっこしていた。
あれ以上、記録が伸びる事もないのだが、なぜかムキになって頑張って(?)しまっていたのだ。
傍から見たらこの2人、絶対、何か誤解を受けると思うが・・・
「う~~~ん、データも順調に集まったし、まあ、いいじゃろうて。
次は・・・と、そうじゃ、頼まれとった人工臓器を使用した内臓器官との融合及び拒否反応緩和についての論文を書かなきゃなー
は~、ヤレヤレ・・・・ちっとも終わらん・・・<て、終わらせようとか思ってます?ギルモア博士?
どれ・・・少し、小休止しようかの・・・」
こういう時に限って、間がいいっつーか、悪いッつーか・・・
朝食後、ずっと研究室に籠もっていたギルモア博士は、いい区切りがついたのか、コーヒーでも飲もうかとリビングへと向かう。
すると、楽しげな声が聞こえてきた。
「ふふっ・・・やぁだ、ジョーったら・・・♪」
「ほら、この乗せ方の方がたくさん乗るって!」
「そんなにムキにならないでよ・・・きゃんっ!」
何やら、“若夫婦”状態の2人が楽しそうに時を過ごしている・・・そんな気がして、博士は思わずほくそ笑んでしまった。
「ほっほ・・・ いつも仲が良いのぉ・・・ イイコトじゃわい。」
などと、微笑ましく思いながら、リビングに顔を覗かせた。
「フランソワーズ、すまんが、コーヒーを・・・」
ギョッ!
ドアを開け、紅一点の彼女に頼もうと口を開いた瞬間、目の前に繰り広げられた光景に、思わず固まってしまった。
「あん!くすぐったいったら・・・♪」
「ほら、そんなに力入れちゃダメだって・・・」
「だってぇ~・・・ ヤン、もうジョーったら・・・♪♪」
そこには、イチャイチャ、クチュクチュしているジョーとフランソワーズ・・・
ソファーに半分乱れたような形で腰かけている彼女に、覆い被さるジョーが何かしている。(ように見える)
「・・・・・・・////」
若いっていいなぁ~・・・・昼間っから♪(<違う、違う!)
じゃなかった・・・・
2人が“仲良し度を上げている”
少なくとも、博士にはそう見えて、言葉を失ったまま、血圧・体温が、怒濤の勢いで上がっていくのを感じていた。<危ないッス!
「・・・・~~~~・・・////」
「あ、博士・・・」
「え?」
そんな、金縛りにあっている博士に先に気付いたのはフランソワーズ。
その声にジョーも振り向き、何の気なしに声をかけた。
「博士、研究は一段落したんですか?」
本人達は、いたって“やましい事”がないので、ニコニコと爽やかな笑顔で語りかける。
だが、声掛けられた方は、どんな顔して良いのやら、どう答えていいのやら・・・
何だかひどくバツが悪いような感じがして、何とか、声を絞り出した。
「あ・・・あの、その・・・・コーヒーをもらおうと思って、きたんじゃが・・・」
「あ、コーヒーですね。すぐ淹れますわ」
即座にフランソワーズが反応し、ソファーから立ち上がって自分の方へ来てくれようとする。
慌てて手を振り、それを制した。
「あ、いや、いいんじゃ、いいんじゃ! そのままで・・・」
「は?」
「わしの事は気にせんでいいから、続けなさい。」
「へ?」
言われている事がいまいち理解できず、ポカンとマヌケな返事を返す、フランソワーズとジョー。
博士は、捲し立てるような早口で言った。
「取り込み中だとは知らんかったんじゃ。そうそう、これから2,3日研究室に籠もるでの。 食事とかも、適当に済ますから、心配しなくていいから・・・」
「「あの・・・」」
「じゃ、邪魔したの・・・!」
バタン・・・
「「????」」
まるで逃げるように、リビングから一目散に引き上げていってしまった。
しばし呆然と、閉まってしまったドアを見つめながら、ジョーとフランソワーズの頭の中では今の状況分析が開始されていった。
『わしの事は気にせんでいいから、続けなさい。』
『取り込み中だとは知らんかったんじゃ・・・』
『じゃ、邪魔したの・・・!』
博士の言った言葉と、自分達が置かれていた状況と・・・おそらく、補助脳までフルに使って分析がなされていた事であろう。
(博士のあのセリフは何だか・・・)
(僕達、何か変な事してたっけ? ん・・・まてよ・・・ 博士が立ってたあの位置から見えた状況って・・・)
結果・・・
「「あっ!」」
2人は同時に声をあげ、博士を追った。
「ご、誤解です!博士~~~~ッ!!」
「僕達は、そんな・・・ まだ、してません~~~~っっ!!」<じゃあ、これからするんかい!(何を?)
しかし、ジョーとフランソワーズがいくら弁明しようとしても、博士が研究室から出てくる事はなかった・・・
*** ***
それから―――
ちょっとしたハプニング(?)はあったが、ジョーとフランソワーズはすっかり“マッチ棒の睫毛乗せ♪”に嵌ってしまった。
これがどういう事になるかというと・・・
<犠牲者その1:ピュンマの場合>
連日、ギルモア博士にこき使われたのか、うっかり(?)リビングのソファーで寝こけてしまった時だった。
「あ! ジョー、ジョー、見て・・・(小声)」
「お♪ やる?」
「やりましょ♪♪」
怪しい笑いの悪魔が2人・・・
どこから調達してくるのか、いつの間にか増えていた、今度は黄色い先っぽのマッチ棒を握っていた。
「1っぽ~ん、2っほ~ん・・・」
さっそく彼も、マッチ棒を乗せられる。
しかし、歴戦の戦士・ピュンマである。
怪しい気配に気づき、意識が覚醒する前に相手(ジョー)の手首を掴んで、思わず投げ飛ばした!
「フンッ!」
「うわっ!」
投げられた方も、そこはそれ、“009”である。
体がフワリと浮く感覚に、咄嗟に受け身を取ろうと回転し、☆華麗に☆ 着地。
「ふ~、危ない危ない」
額の汗を拭いながら、ピュンマの方に向き直る。
当然といえば、当然だが、彼からは抗議の声が上がっていた。
「ジョー! 何してんだよっ!! 人が寝ている時にッ!!」
「何って・・・ ちょっと確認を・・・・」
「何の確認だよっ!」
「いや、ピュンマも(“も”だけ強調)睫毛長いなぁ~って・・・」
「何? 睫毛??」
「うん。きれいに睫毛長いから、マッチ棒何本乗るかな~・・・って・・・」
「あのな・・・・」
ピュンマの剣幕に、何となく後ずさりながらも、正直に事情を説明する(?)ジョー。
その素直さに、眩暈を覚えつつ、あまりに無意味な行動に、更に声を荒げた。
「何が、睫毛だ! 人の顔で遊ぶなっ!!!」
「だ、だよね・・・・ごめ・・・」
「お願い、ピュンマ。計らせて♪」
ジョーが素直に謝ろうとした時、フランソワーズが割って入る。
持ち前の蒼い瞳をキラキラうるうるさせて、ピュンマに“お願い”した。
(う・・・)
「ごめんなさい・・・睫毛にマッチ乗せるなんて、くすぐったいわよね?
でも、今、まつげの長さ計るの・・・マイブームなの♪ だから、お願い! 計らせて♪♪」
(ま、マイブームって・・・・)汗
「お・ね・が・い・♪」
「・・・・」
仲間とはいえ、彼女ほどの美少女に潤みがちな瞳で間近でお願いされたら、さすがのピュンマも断りにくい。
本心をいえば嫌だし、バカバカしいが、それほど大した事ではない“お願い”に、彼は折れた。
「・・・わかったよ・・・」
「きゃあ♪ ありがとうピュンマ♪♪」
フランソワーズは嬉しそうに、彼に抱きつく。
仄かに漂う彼女のコロンの薫りにドキリとして、ちょっと嬉しい。
だけど、そこまで。
その後は、ジョーの手によって、睫毛にマッチを乗せられた。
「1っぽ~ん、2っ・・ほ~~~~ん・・・・・・・ 4っっほんっと・・・! ご・・」
バラバラバラ・・・
彼の手には怒りが込められていたとか、いなかったとか・・・
ピュンマ:結果4本←結構長い・・・・
<犠牲者その2:ジェロニモの場合>
ピュンマの失敗(?)も踏まえて、彼には素直にお願い。
快く(??)承知してくれた。←つーより、彼にはそんな小さな事、どーでもいい
「1っぽ~ん・・・・2っほ~~~ん・・・3・・・・」
バラバラバラ・・・
ジェロニモ:結果2本
<犠牲者その3:ジェット>
はっきり言って、ジェットは絶っっ対!(力いっぱい)
文句垂れる。
一筋縄ではいかないのも、わかっている。
「どうする?」
「どうしよう・・・・」
「ジェットにも、素直に頼む・・・って訳にはいかないよな~・・・高くつきそうだし」<何が?
「そうよね~・・・でも、ちょうどいい具合に、今ジェットひとりなんだけど・・・」
で、一計を案じた。
「そうだ! こんなのどぉ? あのねぇ~・・・ゴニョゴニョ・・・」
その方法とは・・・
*** ***
「いくよ。」
「おお!」
Ready Go!
シャァァァァ・・・・
ジョーカーを抜き、赤と黒に分けた52枚のトランプを、それぞれが手に持ち、シャッフル。
その中の4枚を前に出した後、ゲームを開始。
直後から、目まぐるしい早さで2人の手が滑り、間にしつらえた2枚のカードがみるみる山と化していく。
お馴染みの“スピード”である。
===================
リビングで暇そうに、ぼぉ~っとしていたジェット。
お茶に誘うフリして(?)ジョーは近づいた。
「君も飲むかい? コーヒー」
「お! 気が利いてるじゃねぇか。もらうぜ」
「いや、なに・・・僕も、ちょうど飲みたくなってね。あ、クッキーもあるよ。フランソワーズが焼いてくれたんだ。」
「おお、Thank you!」
適当に、コーヒーブレイク。
適当に会話して、彼を陥れ・・・もとい・・・誘(いざな)う。
「・・・暇そうだね、ジェット・・・」
「ん? まーなー」
「これから、何か予定でもあるの?」
「ねーよ。あったら、とっくに出かけてるって。」
「それもそうだね・・・」
「あーあ・・・やる事ねえなぁ~・・・ ビデオでも借りてくっかなー・・・」
「・・・」
しばしの沈黙・・・
会話が途切れ、何となく機会を伺い、ジョーは切り出そうと、あくまで自然な流れで、話を持っていこうとしていた。
「ビデオ・・・ねぇ・・・ 今、良いのあるのかな?」
「さあな。でも、行きゃあ、何かあんだろ?」
「まあね・・・」
「でも、ビデオ屋に行くのも面倒くせぇなー・・・ 何か、面白い事はねぇかな~」
「・・・・」
チャンス到来・・・!
ジェットのひと言は、渡りに船。
さり気なくコーヒーカップを置いて、ジョーは言った。
「・・・・じゃあさ・・・
トランプでもする? 実は、僕も暇なんだ」
「トランプねぇ~・・・
今一、乗り気がしねぇな~・・・ ポーカーもブラックジャックもやり尽くしてっからよ。俺。
それに、カブも飽きちまったし・・・ 2人でトランプってのも不毛じゃないか?
今更、ババ抜きとか、7並べって歳でもねえんだし・・・」
「う~ん・・・まあ、それもそうだね~」汗
(ジェットが言うゲームって、やっぱり・・・賭け事ばっかし! 今までの生活が忍ばれるよな~・・・・シミジミ
だけど、このまま引き下がるわけにはいかない。
“睫毛計り”がかかってるんだし! とはいえ、どう切り出そうかなー・・・)
―― 回想;フランとの内緒話 ――
『そうだ! こんなのどぉ?
あのねぇ~・・・ジェットをカードに誘って、負かすの。それで、罰ゲームだと言って、彼の睫毛にマッチを乗せる。
グッドアイディアだと思わない?』
『う~ん・・・確かに、良いアイディアだと思うけど・・・ 勝てるかなー
ジェット、賭け事はめちゃくちゃ強いからなー。僕、いっつもカモだし・・・』
『何、言ってんのよ! こういう時こそ、頭を使わなくっちゃ!
ジョーにだって、ジェットより強いゲームあるでしょ? そういうのに、引っ張りこんじゃえばいいのよ。』
『ああ、なるほど!』
ポンッ!・・・と、手を叩く
『でも・・・僕がジェットより強いのって、神経衰弱とか、ババ抜きだよ。(神経衰弱は、どこのカードが何だったかっていうのを覚えていられない、ジェット。ババ抜きは顔に出てしまうジェット)
乗ってくるかな~』
『・・・・』
(神経衰弱、ババ抜き・・・汗
ジョーって、そういうのが得意なんだ・・・・
それは、あんま乗ってこないかも・・・(-"-;)
とっても健全なジョーの発言に、フランソワーズは唖然とした。
片や不健全きわまりないジェットが、そんな子供だましのゲームに乗ってなどこないだろう事は、大いに予想がついて、ちょっとクラクラ。
だけど、今の状況は絶好の機会といってもいい訳で・・・お鉢を回してしまった。
『と、とにかく、どうやって引っ張り込むかは、あなたが考えて。
じゃ、私、ティータイムのお菓子、作るから・・・』
『・・・しょうがないな~・・・』
―― 回想おわり ――
ジェットは熱く語る。(暇なので・・・)<そーなのか?
「なんか・・・・
エキサイティングなことがやりてぇよ!
こう、ワクワクと胸が躍るってーの? ずっと大人しくしてたら、体にカビが生えちまうぜ。」
「エキサイティング・・・ねぇ~・・・」
ジョーは彼の言葉を聞きながら、ボンヤリと考えて・・・
ピンッ!と何かを思いついた。
(そうだ、これだ!)
「・・・ねえ、ジェット。 “スピード”って知ってる?」
「スピード?」
「うん・・・速さを競う、トランプゲームなんだけど・・・ やった事あるかな?」
「いいや。そんなの、今、初めて聞いたぜ。」
「日本では、割とポピュラーな遊びなんだけどさ。これが燃えるんだよねー
単純な分、力はいって・・・」
「へー・・・ “スピード”・・・ねぇ~・・・
で? お前は強いのかよ。」
「うーん、そうだなぁー・・・ “スピード”で負けた事って・・・・ないなぁ~・・・」
「ほぉ・・・」
元来、ジェットは負けず嫌いである。
それも、相手がジョーとなると、同じ歳、似たような境遇、同じ性能を持っている・・・という事が絡むのかどうかしれんが、俄然、闘志が湧く。
この時も、そうだった。
「やろうぜ。それ。」
「え?」
「その“スピード”って奴。 お前強いんだろ? 」
「・・・まあね・・・」
「いいじゃん。名前も“スピード”なんて、何だかイケてんじゃん!
そうとうエキサイティングなゲームと見た!
やろうぜ。どうせ暇なんだしよ。」
「・・・いいよ・・・・」
ニヤリ・・・(邪笑)
===================
シャァァァァ・・・・
案の定、ジェットは誘いに乗り、ジョーとバトルを始めた。
すごい勢いでカードが飛び交い、1進1退の攻防。
火花散る熱戦が繰り広げられた。
(13,1,2・・・ 11・・・・)
シャッ、シャッ バシッ、パシッ!
(5,6・・よし! 8!)
シャッ! バシッ!
お互い、(色んな意味で)スピードにかけては、自信がある。(加速装置あるから?)
ジョーがカードを出せば、負けじとジェットもカードを繰り出す。
こういうゲームはジェットの性に合っているようで、すぐに夢中になった。
だが・・・
「2,9! 終わりッ!」
「ああ、くっそぉぉぉぉ~~~~!! 」
さすがに1回戦は、経験が物を言ったのか、ジョーが勝利。
ジェットは悔しそうに頭を抱え、また、すぐに詰め寄った。
「もう1っ回やろうぜ! もう1回!
ジョー、リベンジだ!!」
「いいよ。勝負は3回の約束だからね。
今度も負けないよ。」
「抜かせ! 俺だって、負けねーよっ!」
「ようし・・・」
Ready Go!
===================
『・・・わかった? ルールは簡単だろ?』
まんまと嵌ったジェットに、ジョーはルールを説明した。
そして、場が整えられた。
『ああ。
こういう単純なの、好きだぜ。俺は。
じゃあよ。何賭ける?』
『もう、ジェットはすぐに博打にしちゃうんだもんなぁ~・・・ハァ~・・・』
(予想通りだけど・・・)
『・・ったりめーよ! 何かを賭けてこその、カードの醍醐味だろうが!
そうだな~・・・ じゃあ、負けた方が、勝った方の言う事を聞くっていうのはどうだ?』
『仕方ない・・・その条件でいいよ。
じゃあ、勝負は3回で、2回勝った方が勝ちね。』
『おう、いいぜ! じゃ、さっそくやろうぜ!』
===================
シャッ、シャシャッ! バシッ!
2回戦も2人は真剣で、ここぞとばかりにカードを出す。
お互い、手の動きも速いので、目にも止まらぬ速さだった。
そんな中・・・
「3,6,10っ、と! あがりっ!!」
「あっ、あ~~~~~~っ!」
ここへ来て、運が向いたのか、元々賭け事が得意だからなのか、タッチの差で、ジェットのカードがなくなった。
「へへん、どうよ! 俺の実力は♪」
得意満面に、鼻を鳴らす。
「くっそ~~~~!! この僕が、初心者のジェットに負けるなんて~~~。
よし、最終戦だ!」
「望むところだ。決着をつけてやる!」
再びバトルが開始された。
で?
・・・・・・・・・・・・・・・・
「よ・・・」
「4っ!」
一瞬速く、ジョーのカードが滑り込む。
ジェットは無駄になってしまったラストのカードを握り締めたが・・・ジョーに負けてしまった。
「あっ、くそっ!! ずるいぞ、ジョー!!」
「ずるくないよ。僕の方が速かったんだから♪」
お互い同じ数の札がラスト1枚だった。
そのカードを出した時、本当にコンマ.0001秒くらいの差でジョーの方が、一瞬速かったのである。
完璧にフェアな勝負だったのだが、とりあえず「ズルイ」と言うのは、誰にでも出る言葉だろう・・・
「うぅ・・・ くっそぉ~・・・」
「僕の勝ちだね♪」
今度はジョーが、鼻で笑うような不適な笑みをジェットに向ける。
悔しかったが、勝負は勝負。
「じゃあ、僕の言う事聞いてもらうよ」と言うジョーに、諦めたように呟いた。
「仕方ねーな・・・」
そして!
「1ッぽ~ん、2・・・あれ?」
バラバラ・・・
ジョーの手にはマッチ棒が握られ、ジェットの睫毛に乗せられていく。
が、見た目、とても長い彼の睫毛だが、収まりが悪いのか、マッチ棒を乗せると、すぐに落ちてしまった。
「あれぇ~・・・乗らない・・・
こんなに長いのにぃ~・・・」
「・・・お前、何してる・・・?」
間近に迫るジョーの顔を見ながら、ジェットは尋ねた。
「何って・・・睫毛に、マッチ棒乗っけてるんだけど?」
「何で?」
「睫毛の長さ計る為にさ。さっき、そう言ったじゃないか。」
「確かにそう言っていたが・・・睫毛の長さ計るのに、何でマッチ棒なんだよ! 普通、メジャーとか使わねぇか?
そもそも、何で睫毛の長さ計る必要があんだよ!」
「だって・・・」
「だって?」
「マイブームだから・・・・♪」
=================
「じゃあ、僕の言う事、聞いてもらうよ」
「わかったよ・・・」
勝負に勝って、ジョーは誇らしげに言い、どこからかマッチを出してきた。
「僕がしたいのは、君の睫毛を計る事だ。いいね?」
「仕方ねーな・・・俺が負けたんだし・・・」
「じゃ、やるね♪」
そうして、彼はジェットの睫毛にマッチを乗せ始めた。
=================
「マイブームだから・・・・♪」
「はぁっ?! マイブームぅ?」
「そ♪ 僕とフランのマイブームなんだ♪♪」
「おい・・・っ!」
邪気のない笑顔で、ニッコリ答えるジョーに、思わず脱力しながら、突っ込むジェット。
だが・・・
「じゃあ、何か? 俺はお前らの娯楽の為に・・・」
「おぉ~い、フランソワァ~ズ~」
「はぁ~い♪」
文句言おうとした途中で、ジョーはフランソワーズを呼んだ。
フランソワーズの方も、実に軽やかな返事をかえして、リビングに顔を出した。
「なあに、ジョー?」
彼らは実に楽しげに・・・
「あのね、フランソワーズ。 ジェットの睫毛長いんだけど、マッチ棒乗らないんだ。
どうも、角度が悪いらしくて・・・」
「あら~・・・」
その顔は悪魔だった・・・(^◇^;)
「お前ら・・・人で遊ぶんじゃねーよ!」
「どうしよう・・・」
「じゃあ、いいものがあるの。ちょっと待ってて」
「おい!」
聞いてねーし・・・(-"-;)
ジェットの抗議もむなしく、この(バ)カップルの間では話が進んでいく。
程なくして、フランソワーズはある化粧道具を手に、戻ってきた。
「これ使えば、ジェットのまつげにマッチ乗るわよ♪」
「へぇ~、良いもの持ってるね♪ でも、どうやって使うの?それ?」
「それはね~・・・」
迫るフランソワーズ。
その手にはビューラーが握られ、ジェットに近づいていった。
このときになって、ようやく、なにをされるのかがわかったジェット。
あわてて、彼女を制した。
「ち、ちょっと待て!
お前ら・・・ひょっとして、最初から仕組んで・・・?!」
「フフ・・・諦めて、ジェット♪」
「わ・・・わわっ・・・・や、やめろーーーーーーーっ!!!」
バッチン☆
かくして・・・
きれいにカールさせたジェットの睫毛に、マッチ棒が乗せられる。
目もパッチリで愛らしく整えられ、男前がぐんっ!と上がった・・・かな?
(シクシクシクシクシクシク・・・・・)
「1っぽ~ん・・・2っほ~ん・・・・3っぼ~ん♪ 4・・・」
バラバラバラ・・・
ジェットのまつげも、無事、測定終了。
結果3本♪←やっぱり、ジョーのライバルだね
<犠牲者その4:張々湖>
彼は見るからに睫毛が短い。
だから・・・
バッチン☆
「ぎゃーーーーーーーーーっ!」
最初から、ビューラーを使い、睫毛を挟んだ。
・・・つもりだったけど、あまりに短すぎた為、瞼を挟み込んでしまい、腫れてしまった。←これは痛いぞ!
そして、その腫れた瞼に辛うじて、1本、乗った・・・らしい
結果:1本(オマケ)
<犠牲者その5:グレート・ブリテン>
そ~っと、そ~っと・・・
熟睡中の彼の睫毛に乗せようとした、ジョーとフランソワーズ。
が、
グニョニョン、ぐにょ~~ん
「わ、わ・・・!」
グレートは寝ぼけて変身を繰り返す。
おまけに、
「大いなる下僕達よ!」
いきなり起きあがって、デカイ声で寝言は呟くは(呟くっていうのか?)、寝相は悪いは・・・
「・・・~~~~・・・・」
「・・・~~~~・・・・」
何度か、チャレンジしてみたものの、じっとしてないもんだから、乗せる事もかなわず・・・
結果:測定不能
<最後は大取:アルベルト・ハインリヒ>真打ち登場???←何がや!
ガキンっ! ゴキンッ! バチッ! ばっちんっ☆
ジェット以上に手強いアルベルトには、夕食時に1服盛って(<おい!)、すべての武器の安全装置をロックする事から始まる。
彼に悪戯するのは正に命懸け。(スリルあるな~)
武器のロックがすべて終了し、ジョーとフランソワーズは顔を見合わせていた。
「「うんっ!」」
ガッツポーズと共に気合いを入れる。
2人はさっそく、マッチ棒を握った。
「早くしないと、目が覚めちゃう・・・1っぽ~ん・・・」
「そうだね。アルベルトには、あんま薬効かないからなー・・・2っほ~んん・・・」<よくやってるのか、こういう事?
「3ぼ~ん・・・」
「3・・・」
バラバラ・・・
「あ・・・こっち、落っこちちゃった」
「こっちは、まだ乗ってるわ。」
左右に分かれて、アルベルトの睫毛にマッチを乗せていたが、片方のマッチが落ちた際、彼の手の甲に当たった。
パチッ☆
そして、目を開けた彼と、バッチリ顔が合ってしまった2人だった。
「・・・・お前ら、何してる?」
「あ、あら、アルベルト・・・・おはよう・・・」
「目、覚めたんだね・・・」
通常より低い声で問う彼に、引きつった笑いを浮かべ、とりあえず言葉をかけるフランソワーズとジョー。
その瞬間から、気付かれないように、退却の構えに入った。
「何してると聞いている。」
「何って・・・・ねぇ・・・・」
「大した事じゃないよ・・・」
ジリッ・・・
1歩、足を引いた。
「大した事じゃないなら、言えるだろう?
何をしていたんだ?」
「え、えと・・・ちょっと確認を・・・ねぇ、フランソワーズ・・・」
「そ、そ。ちょっとした確認よ、確認・・・」
ジリリッ
また1歩。
「確認? 何の!」
「あの・・・その、アルベルトの睫毛を・・・・」
「どのくらいの長さかなー・・・て。」
ジリリ、ジリ・・・
「何で!」
「え、えと、あの・・・」
「その・・・・マイブームだから・・・」
「マイブームゥ~?!
「そ、そそ・・・今、流行ってるんだ。」
「ね、大した事ないでしょ・・・」
ジリ、ジリ、ジリ・・・
「お前ら・・・・!」
ジリッ、ジリリッ・・・
用意!
「人の顔で遊ぶな――――――――――――っっ!!!!」
スタート!
「きゃあぁぁぁーーーーーーっ・・・!」
「ごめんなさいーーーーーーーーーっっ!!」
ジャキッ!
間髪入れずに、マシンガンが向けられる。
絶対こうなる事を予測していた2人は、後ずさりで距離を稼ぎ、ダッシュして逃げた。
ガチッ! カチッ! カチッ、カチッ☆
「チッ!」
アルベルトは向けたマシンガンが空振る音を聞いて、彼らがロックまで仕掛けていったのに気が付いた。
「あいつら・・・・ こういう時だけは用意周到だな・・・」
もう、溜息つくしかなかった。
結果:右が3本、左が2本
・・・こうして、2人は睫毛計り作戦(?)を終え、マイブームの完成という成果を得るにいたり、大いに満足したという・・・<迷惑!
(蛇足)
アルベルトが、ギルモア研究所の廊下で、ジェットとすれ違ったときのこと・・・
「ん・・・・?
ジェット、お前、最近目がパッチリしたんじゃないか?」
ぎくぅっ!
「・・・・突っ込んでほしくなかったぜ・・・」(超小声)
(お終い)
<<本編
+まっくさまより+
す、すす、すみませ~~~~ん!!
更におバカな話になってしまいました。(しかも、オマケの方が長いし・・・)
ピュンマファン及び、ジェットファン、アルベルトファンの皆様にはお詫び申し上げます<(_ _)>
でわっ!(遁走)
+お礼+
まさに、王道・・・・。えぇ、まさに
バカップル!!!
誰も気にしないような些細なことを徹底的に追求する姿は、さすがギルモア博士の助手を しているだけのことはありますね。<ジョー君
お嬢さんも平成版では「理系の女」。 データにこだわる辺りがすばらしい。 後日、睫毛性質と耐荷重に関する相関を数式に表したに違いないのです。
さらに彼女は長い睫毛の代名詞、ジェットのふがいない成績に満足しているはずはなく、 自ら導き出した法則に沿って、ジェットの次回メンテナンスでは睫毛材質の見直しを 博士に迫ることでしょう。
まっくさまほんとうにありがとうございました!
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