83なイラスト(from塩蔵さま) (いただきもの/
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ちょっと、腕組んでます、腕!!!
おそろいのマフラーは彼女の手編みでしょうか?
遠慮がちに腕を組むフランにテレ気味のピュンマ・・・。
もっとグッグッと寄り添っちまいなさい!!!
ポカッ(._+ )☆\(-.-メ) ォィォィ
つかず離れず、この微妙な距離がいいんですよね~~83。<そうか?
ところで、お年賀に続いて「しょうもない妄想を書かせてください」と申し出たところ、 やさしい塩蔵さまは快く了解してくださいました。・・・ということで、チャレンジャーなお客様におかれましては↓をご覧ください。
塩蔵さま、本当にありがとうございました!
しょうもない駄文
<<今何時?>>
<<1時・・・45分過ぎ>>
<<あと15分か・・・・・。何か不審な動きは?>>
<<今のとこ、無いわ>>
ベンチに背中を預けた008はぐるりと公園を見渡す。 この冬一番の冷え込みになった今日は遊びに来る人の姿もまばらで、それが寒さを一層強く感じさせた。 曇天、今にも雪が降り出しそうな天気に思わず舌打ちしそうになって慌ててやめる。 時折吹き抜ける木枯らしは冷たい空気を顔や耳に否応無く叩きつけ、そのたびに008は身を固くし 寒さをやり過ごさなくてはならなかった。寒さだけはどうしても苦手な彼の口から無意識に溜息が零れる。
「何もよりによってこんな日にね・・・」
「言いっこなしよ。みんな同じこと思ってるんだから」
思わず呟いた愚痴を隣に座る003に窘められて、彼は首をすくめた。
「ごめん、本当にそうだよね」
003の言う通り、ここに居るのは彼ら2人ではない。閑散とした空間のあちらこちらに辺りをうかがう「彼ら」の姿があった。 犬に姿を変えうろつく007、通りに停車した車には004、 通りを挟んで公園を見下ろすビルには清掃会社を装って窓拭きをする002と009の姿。
― 国際的テロ組織の次のターゲットは東京で開催される国際会議・・・・
そんな情報が入ってきたのは今を遡ること1週間前。 しかもテロ組織の背後にブラックゴーストが絡んでおり、国際会議を3日後に控えた今日、この公園で武器の取引が行われるのだという。 ブラックゴーストが関わる話となればその野望は阻止しなくてはならない。 そのため彼らはこの場所で取引が始まるのをひたすら待ち続けているというわけである。
<<そっちはどうだい? 002>>
<<なにもねぇ・・・せいぜい風が強いくらいだ>>
<<確かにここは寒いよね・・・クッシュン・・・ズズズッ>>
009の声は最強サイボーグにあるまじき程にかぼそく、情けない。
<<じゃあ、一生懸命窓を拭けばいいわ。暖まるわよ>>
容赦の無い003の指摘に、
<<そうさ、こっちは動くことさえ出来ないんだからね>>
間髪おかずに008も同意する。
<<002、その窓の右上、まだ拭き残しがあるわよ・・・。009もそんな拭き方だからムラになってるわよ>>
「チェッ、いちいち口ウルセー女だな」
悪口を聞かれないようにと通信を切って呟く002に009が目配せしながらクスリと笑った。だが、
<<誰が口うるさいですって! >>
こと彼女に対しては通信だろうが呟きだろうが大差は無いらしい。
<<オイオイ、無駄口叩いてないでちゃんと見張れ、ミッション中だ>>
雑談に割って入った004に全員が一喝された。
008と003はヤレヤレといった表情で互いを見合う。古今東西、死神さんには敵いません。
「ずるいよ、アルベルトは」通信を切った008が苦笑する
「見張りの担当を決めてくれたと思ったら、自分だけ暖かい車の中なんだもの」
003も不満を隠さない。
(まぁ、彼女がパートナー、しかも恋人を装ってというのはオイシイけれど)
008はほくそ笑み、正面のビルに張り付く18歳コンビを見上げた。
窓を拭きながらも周囲に気を配るのはミッションだから当たり前。 だがその合間にこちらをチラッチラッと伺う仕草は、「フランソワーズとピュンマが何をしているのか気になって仕方がありません」という胸の内がミエミエで、彼らと目が合うたびについつい笑ってしまう。
そう言えば、今日の配置が決まったときの2人の不満気な顔といったらなかったな・・・。
―― 003と恋人を装って取引現場を取り押さえる――
彼ら2人はこの役割を喉から手が出るほどにやりたかったに違いない。
「1時50分・・・あと10分か。まだ大丈夫かな」
何かを思いついた様子の008は口の端でにやりと笑い、通信のスイッチを入れた。
<<それにしても、こんな寒い日にカップルを装うってのは不自然じゃないかい?>>
彼の疑問にすかさず応えたのが野良犬姿の007。
<<そんなことはないさ。ほら、あっちにいるカップルを見ろよ>>
指示された方を見ると、真っ昼間から場所も時間もわきまえず、堂々とラブシーンを繰り広げる一組の男女。
<<お前さん達もあれくらいすりゃあ、ちーっとも不自然じゃないぜ>>
言いながら007もビルの方を見上げる。視線の先には明らかに動揺している2つの背中。 003が008にウインクを投げる。どうやら彼の悪戯に付き合ってくれるらしい。
<<なるほどね・・じゃ、僕らも遠慮なく・・・>>
008は彼女の肩に腕を回してグイッと引き寄せた。亜麻色のやわらかい髪に顔を埋め、何をかささやく。 突然の、かつ予想外の展開にビルの2人は俄かに慌てはじめた。
<<も・・・もういいんじゃない? 2人は充分恋人同士に見えるからさ、ウン>>
今にも泣き出しそうな009に、
<<てめぇ、それ以上何かしでかしたら ただじゃおかねぇ>>
ひたすら凄む002。
敵の襲撃なんかより遥かに反応がいいじゃないの? 003、008、そして足元の007は必至で笑いをかみ殺した。
<<オイッ、母娘連れがそっちに行くぞ>>
一部始終を見聞きしたいたらしく、004の通信にも笑いが混ざる。
程なく4歳くらいの女の子とベビーカーを押した母親が3人の視界に入ってきた。 はしゃぐ女の子をたしなめる母親の様子に全員の緊張が薄れ頬も緩んだ・・・。
が・・・
<<待って!>>
003の声に緊張が走る。
<<どうした?>>
<<あのベビーカー・・中に居るのは赤ん坊じゃないわ。えぇ・・と・・・・携帯電話が10台以上・・・それに小型のPCが5台。 ・・・どれも中には精巧に爆弾が仕込まれているっ・・・>>
視線の先の母娘はベンチに座っていた別の母子と軽く挨拶を交わす。どうやら取引相手のようだ。
<<なるほど、子連れで取引とは考えたね。手を出しにくいや・・>>
<<どうする?>>
<<行くしかあるまい>>
<<じゃあ、まず僕らが彼らに近づく。004、出口は君に任せた。002、009・・僕が合図したら頼むよ>>
<<<<<<オーケイ>>>>>>
008が立ち上がる。後に続いた003は腕をそっと彼に絡ませた。
「ね・・・アタシ不安だわ・・・。子供を巻き添えにしてしまわないかしら・・・・」
「大丈夫さ、きっとうまくいくよ。とにかく、僕から離れないで・・・」
2人はゆっくり歩き始めた。
+言い訳+
あれっ、リクエストは「日常のピュンマ」でSSが何でミッションなんだい?というつっこみはお許しください~~~~(逃亡)
塩蔵さまのサイト「みずのもり」でキリバン3456を踏んで描いていただきました。 リクエスト内容は日常の8。そして83。
ちょっと、腕組んでます、腕!!!
おそろいのマフラーは彼女の手編みでしょうか?
遠慮がちに腕を組むフランにテレ気味のピュンマ・・・。
もっとグッグッと寄り添っちまいなさい!!!
ポカッ(._+ )☆\(-.-メ) ォィォィ
つかず離れず、この微妙な距離がいいんですよね~~83。<そうか?
ところで、お年賀に続いて「しょうもない妄想を書かせてください」と申し出たところ、 やさしい塩蔵さまは快く了解してくださいました。・・・ということで、チャレンジャーなお客様におかれましては↓をご覧ください。
塩蔵さま、本当にありがとうございました!
しょうもない駄文
<<今何時?>>
<<1時・・・45分過ぎ>>
<<あと15分か・・・・・。何か不審な動きは?>>
<<今のとこ、無いわ>>
ベンチに背中を預けた008はぐるりと公園を見渡す。 この冬一番の冷え込みになった今日は遊びに来る人の姿もまばらで、それが寒さを一層強く感じさせた。 曇天、今にも雪が降り出しそうな天気に思わず舌打ちしそうになって慌ててやめる。 時折吹き抜ける木枯らしは冷たい空気を顔や耳に否応無く叩きつけ、そのたびに008は身を固くし 寒さをやり過ごさなくてはならなかった。寒さだけはどうしても苦手な彼の口から無意識に溜息が零れる。
「何もよりによってこんな日にね・・・」
「言いっこなしよ。みんな同じこと思ってるんだから」
思わず呟いた愚痴を隣に座る003に窘められて、彼は首をすくめた。
「ごめん、本当にそうだよね」
003の言う通り、ここに居るのは彼ら2人ではない。閑散とした空間のあちらこちらに辺りをうかがう「彼ら」の姿があった。 犬に姿を変えうろつく007、通りに停車した車には004、 通りを挟んで公園を見下ろすビルには清掃会社を装って窓拭きをする002と009の姿。
― 国際的テロ組織の次のターゲットは東京で開催される国際会議・・・・
そんな情報が入ってきたのは今を遡ること1週間前。 しかもテロ組織の背後にブラックゴーストが絡んでおり、国際会議を3日後に控えた今日、この公園で武器の取引が行われるのだという。 ブラックゴーストが関わる話となればその野望は阻止しなくてはならない。 そのため彼らはこの場所で取引が始まるのをひたすら待ち続けているというわけである。
<<そっちはどうだい? 002>>
<<なにもねぇ・・・せいぜい風が強いくらいだ>>
<<確かにここは寒いよね・・・クッシュン・・・ズズズッ>>
009の声は最強サイボーグにあるまじき程にかぼそく、情けない。
<<じゃあ、一生懸命窓を拭けばいいわ。暖まるわよ>>
容赦の無い003の指摘に、
<<そうさ、こっちは動くことさえ出来ないんだからね>>
間髪おかずに008も同意する。
<<002、その窓の右上、まだ拭き残しがあるわよ・・・。009もそんな拭き方だからムラになってるわよ>>
「チェッ、いちいち口ウルセー女だな」
悪口を聞かれないようにと通信を切って呟く002に009が目配せしながらクスリと笑った。だが、
<<誰が口うるさいですって! >>
こと彼女に対しては通信だろうが呟きだろうが大差は無いらしい。
<<オイオイ、無駄口叩いてないでちゃんと見張れ、ミッション中だ>>
雑談に割って入った004に全員が一喝された。
008と003はヤレヤレといった表情で互いを見合う。古今東西、死神さんには敵いません。
「ずるいよ、アルベルトは」通信を切った008が苦笑する
「見張りの担当を決めてくれたと思ったら、自分だけ暖かい車の中なんだもの」
003も不満を隠さない。
(まぁ、彼女がパートナー、しかも恋人を装ってというのはオイシイけれど)
008はほくそ笑み、正面のビルに張り付く18歳コンビを見上げた。
窓を拭きながらも周囲に気を配るのはミッションだから当たり前。 だがその合間にこちらをチラッチラッと伺う仕草は、「フランソワーズとピュンマが何をしているのか気になって仕方がありません」という胸の内がミエミエで、彼らと目が合うたびについつい笑ってしまう。
そう言えば、今日の配置が決まったときの2人の不満気な顔といったらなかったな・・・。
―― 003と恋人を装って取引現場を取り押さえる――
彼ら2人はこの役割を喉から手が出るほどにやりたかったに違いない。
「1時50分・・・あと10分か。まだ大丈夫かな」
何かを思いついた様子の008は口の端でにやりと笑い、通信のスイッチを入れた。
<<それにしても、こんな寒い日にカップルを装うってのは不自然じゃないかい?>>
彼の疑問にすかさず応えたのが野良犬姿の007。
<<そんなことはないさ。ほら、あっちにいるカップルを見ろよ>>
指示された方を見ると、真っ昼間から場所も時間もわきまえず、堂々とラブシーンを繰り広げる一組の男女。
<<お前さん達もあれくらいすりゃあ、ちーっとも不自然じゃないぜ>>
言いながら007もビルの方を見上げる。視線の先には明らかに動揺している2つの背中。 003が008にウインクを投げる。どうやら彼の悪戯に付き合ってくれるらしい。
<<なるほどね・・じゃ、僕らも遠慮なく・・・>>
008は彼女の肩に腕を回してグイッと引き寄せた。亜麻色のやわらかい髪に顔を埋め、何をかささやく。 突然の、かつ予想外の展開にビルの2人は俄かに慌てはじめた。
<<も・・・もういいんじゃない? 2人は充分恋人同士に見えるからさ、ウン>>
今にも泣き出しそうな009に、
<<てめぇ、それ以上何かしでかしたら ただじゃおかねぇ>>
ひたすら凄む002。
敵の襲撃なんかより遥かに反応がいいじゃないの? 003、008、そして足元の007は必至で笑いをかみ殺した。
<<オイッ、母娘連れがそっちに行くぞ>>
一部始終を見聞きしたいたらしく、004の通信にも笑いが混ざる。
程なく4歳くらいの女の子とベビーカーを押した母親が3人の視界に入ってきた。 はしゃぐ女の子をたしなめる母親の様子に全員の緊張が薄れ頬も緩んだ・・・。
が・・・
<<待って!>>
003の声に緊張が走る。
<<どうした?>>
<<あのベビーカー・・中に居るのは赤ん坊じゃないわ。えぇ・・と・・・・携帯電話が10台以上・・・それに小型のPCが5台。 ・・・どれも中には精巧に爆弾が仕込まれているっ・・・>>
視線の先の母娘はベンチに座っていた別の母子と軽く挨拶を交わす。どうやら取引相手のようだ。
<<なるほど、子連れで取引とは考えたね。手を出しにくいや・・>>
<<どうする?>>
<<行くしかあるまい>>
<<じゃあ、まず僕らが彼らに近づく。004、出口は君に任せた。002、009・・僕が合図したら頼むよ>>
<<<<<<オーケイ>>>>>>
008が立ち上がる。後に続いた003は腕をそっと彼に絡ませた。
「ね・・・アタシ不安だわ・・・。子供を巻き添えにしてしまわないかしら・・・・」
「大丈夫さ、きっとうまくいくよ。とにかく、僕から離れないで・・・」
2人はゆっくり歩き始めた。
+言い訳+
あれっ、リクエストは「日常のピュンマ」でSSが何でミッションなんだい?というつっこみはお許しください~~~~(逃亡)
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