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2004年お年賀 寒中見舞い(from塩蔵様)  (いただきものComments(0) )

塩蔵様からいただいたSS付きイラスト。そしてイラストに触発されて、私も駄文を・・・・




灯りの先に


ああ、やっと着いた。すっかり日も暮れてしまった。
やっぱり日本は寒い。
この時期は国から来るのに、何を着て来たら良いのかいつも悩む。

今年も、やっぱり僕が最後だった。
空港から電話を入れたら、準備は全て終わっていて僕を待つだけだと言われ、
僕は大急ぎで電車に乗った。

全員が揃うのは1年振りだ。
恒例行事となって何年経つだろう。
お互いの再開と、無事を確認する。会って語り合う。それだけの事なのに。
メンテナンス以外で、皆が日本に集まるこの日を、僕はとても楽しみにしている。

008と呼ばれていた頃の自分では、想像も出来なかった。
皆に会えるという事が、こんなにも楽しみになっていると言う事を。
悲しい縁が紡いだ悲しい絆かもしれないけれど、皆が同じ想いであってほしいと、
僕は切に願ってやまない。

電話口に出た主の弾んだ声から、全員元気そうだという事が伺えた。
そして、ドアを開けた時、その答えが正しかった事が嬉しかった。
よかった。
今年も言える。

A happy new year.










以下、HOIHO駄文・・・・






― お正月はね、親戚みんなが僕んちにあつまるんだ!

            丸い目を輝かせて話す友達がうらやましかった。



― おじいちゃん家にいくのよ

            頬を紅潮させて笑うあの子になってみたかった。



― ジョーはこんなにたくさんの家族がいるじゃないですか

            神父様はそうおっしゃったけど・・・





欲しかったのはそんな答えじゃなかった。





誰もいない冷たい聖堂で僕はひとりマリア様に祈った。










カ ゾ ク ヲ ク ダ サ イ











あれから何年もの年月が流れた。
結局僕は誰にも引き取られず
家族も出来なかった。
だけど神様は生身の身体を失った代償に
僕に仲間を与えてくださった。










12月 ―――

物静かな屋敷が年に一度賑わう季節。
クリスマスが終わる頃、仲間がひとり またひとりと帰ってくる。
チャイムが鳴りドアを開ければそこには懐かしい顔。
気恥ずかしそうに微笑んだり、無表情だったり、おどけていたり・・・
でも・・・誰もがとても嬉しそうで
僕らは一年ぶりの再会を喜び、固い握手を交わす。






大晦日のリビングに人いきれが立ち込める。
弾む会話は途切れることを知らず
ひときわ大きな笑い声が起こると壁が驚いたように震えた。
どの顔も明るく輝いていて、僕も自然に笑みがこぼれる。





――― ピン ポーン






玄関のチャイムが鳴った。
僕の心臓が大きく弾む。
きっと彼が帰ってきたんだ!
みんなも顔を見合わせてうれしそうに微笑む。
ドアの向こうの彼もきっと同じ気持ちに違いない。






ほら、ドアをあけて・・・






「「「「お帰り!」」」」











(Fin)
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