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微睡み(本編)fromまっくさま  (いただきものComments(0) )

93SSです!!!!(喜)
ジョーがソファーでうたた寝、その姿に見とれるフラン嬢が起こした行動は・・・。
私はとある番組を思い出しました。わかった貴方は年長組~~~♪




『 微 睡 み 』


――冬にしてはポカポカと春めいて暖かいある日、フランソワーズはいつものようにパタパタと家中を駆け回り、家事に勤しんでいた。


「うわぁ~、今日はいい天気♪ 
日差しも暖かくて、風もあんまり無くて、なんて気持ちいいのかしら♪♪ 
絶好のお洗濯日和ね♪」


洗濯篭いっぱいの洗濯物を物干し台に運び、さあ広げようかと空を見上げると、穏やかな暖かい光が降り注ぐ。




(元気だなぁ・・・)



僕らの中で、ただ1人の女の子で、既にこの家の総元締め・・・コホン・・・(この言い方はふさわしくないかな?)

“主婦”と化している彼女は、朝から忙しく働いていて、その声を聞いているだけで、何だか、こっちまで元気になってしまう気がする。



ああ、本当にいい天気だ・・・



僕も手伝った方がいいのかな・・・?

でもなぁ~・・・


この前、洗濯の手伝いしてた時、うっかり彼女の下着を手に取ってしまって、めちゃくちゃ怒られちゃったしなぁ~・・・


どうして、女の子のパンツってあんなに小さいんだろう?


あれで、お腹冷えないのかなぁー・・・




ハッ! 


いけない、いけない!



パンツの事なんか考えちゃダメだ・・・!




これではまるで、変な趣味がある(変態)みたいではないか。




女の子の下着についてなんて・・・・色即是空・・・(んッ?)






――忙しいフランソワーズを手伝った方がいいような気はしているが、以前、ちょっと失敗していることに躊躇を覚えつつ、結局彼はソファーに体を預けたまま、読みかけの本を開いた。






ああ、ポカポカ気持ちいいなぁ~・・・





家の中にも太陽の暖かさと明るい日差しが差し込んでくる。

その心地よさに身を委ねながら、時は過ぎていった・・・







*** ***



「ふぅ~、やっと終わったわ♪」



山のような洗濯物を干し終わり、フランソワーズは天に向かって伸びをした。

一通りの家事を終えて、洗濯篭を戻すべくリビングを横切ると、ソファーからずり落ちそうになっているジョーの姿が目に入った。



(ジョー?)





長い前髪で表情が見えない。




スー・・・



側に寄ってみると、気持ちよさそうに寝息を立てていた。





「・・・寝ちゃってる・・・」





今にもソファーから落下しそうなスゴイ体勢ながらも器用にバランスをとって(?)、とても安らかな顔で、無防備にも彼は午睡していた。





「ジョーったら・・・・こんな所で寝てたら、風邪ひいちゃうのに・・・」




フランソワーズは溜息を1つ吐くと、落ちないように、そっとジョーの体勢を立て直す。

「ん・・・」と、少しだけ身じろぎしたが、起きることはなかった。




「・・・・」




でも・・・

珍しい、ジョーの居眠り姿・・・

しばし彼を観察してしまった。




(・・・こうして見ると、ジョーって本当にきれいな顔してる・・・・ 

均整のとれた顔立ち、スッと通った、ちょうど良い高さの鼻筋・・・ こんなにきれいな男の人って、ちょっといないわよね~)




ついつい見とれて、思わずウットリとしてしまう。

こんなにステキな男の人が、自分の彼(恋人)だなんて・・・と、思うと、何となく誇らしかった。




(・・・ホントにきれい・・・ 

この栗色の髪といい、今は瞑っているけど、開くと同じ色の瞳の色・・・それに・・・


きゃあっ♪ 睫毛長~い♪♪ 

くるんとカールまでしてる~! 


いやん、どうしよう~~~~~~~♪♪)<何がだ!




1人、キャピキャピと、フランソワーズは盛り上がる。

その時、ピン!と、何かを思いついた。



(そ・う・だッ♪)




彼女は洗濯篭を慌てて片付け、キッチンに向かった。





***********




1っぽ~ん・・・




フランソワーズの手には、何やら小さな棒状のものが何本も握られている。

それらを、実に繊細な手つきで、丁寧に、数えながら、何かをしていた。





2っほ~ん・・・・♪





(ん・・・・)






何となく顔の周りがくすぐったい・・・

ウトウトと、気持ちよく夢の世界を浮遊していたジョーは、徐々に意識が覚醒し始めた。





3・・・・





(んン・・・・?)





ぼ・・・・





どうも、顔をくすぐられている感じがして、彼は微睡みの中から、パッチリと目を覚ました。




「んっ・・・と・・・   きゃあっ!」






目覚めると、驚いたように悲鳴をあげるフランソワーズの姿。

そして、バラバラと目の前に何かが散らばった。





「え・・・?」



「あ~あ・・・」





(な、なんだ・・・??)




起き抜けの目で確認した散らばった何かは、小さな木の棒の先に、赤い木の実を差したようななじみ深いもの。

何でこんな物が散らばっているのか、また、自分の身に何があったのか、全然把握できていなかった。



「・・・・・・・・・」




(マッチ棒???)





しばし呆然としていると、フランソワーズが、ガッカリとした様子で声をあげた。




「あ~あ・・・ せっかく、あと一本で、3本目乗っかる所だったのにぃ・・・」


「・・・は?」




(3本目?)




相変わらず、ジョーには何のことだか、さっぱりわからない。

“鳩が豆鉄砲喰らった”ような顔で、彼女に目を向けていた。




「ふ、フランソワーズ?」


「もうちょっと寝ててくれたら、いいのにぃ・・・・ジョーったら・・・」



「え゛・・・? 僕、寝てたの??」





ジトッと上目遣いに睨まれて、ここで、ようやく少しだけ状況が見えてきた。

どうやら自分は、うたた寝していたらしい・・・






「そうよ~。 すっごく気持ちよさそうに寝ていたのよ。」


「そうか・・・」



「だから、睫毛に何本マッチ棒が乗るか試してたのにぃ・・・」


「へ・・・?」




(ま、マッチ棒???)






ジョー、ますます混乱。

だが、そんなことはお構いなしに、落ちたマッチを拾いながら、フランソワーズは続けた。




「・・・・」


「あなたの顔見てたら、けっこう睫毛が長いんだなぁ~って、気が付いちゃったの・・・ 

で、何本くらいマッチが乗るものかな~って・・・♪」



(はい?!)




「・・・・」



「ようやく3本目が乗る所だったのにぃ・・・もう少し寝ててくれたら、何本くらい乗るものか確かめられたのになぁ~・・・はぁ~・・・」




「・・・・」





(はぁ~って・・・)汗





彼女の溜息には、どう答えていいのやら・・・呆れるやら、困惑するやら・・・


まあ、そうは言っても油断して惰眠を貪っていた彼にも、問題はあるが・・・(あるのか?)



ようやっと事の次第が飲み込めて、訊き返した。




「・・・フランソワーズ・・・」


「なぁに?」



「君は・・・・ 僕で遊んでいたわけ・・・?」


「う~ん・・・遊んでいたっていうのは、ちょっと違う気がするけどぉ・・・ 


まあ、ちょっとした確認よ、確認♪」



「確認って・・・」(汗汗)




(何のだよ・・・!)




思わず心で突っ込んでしまうジョー。
あくまで、面と向かっては言えません(<気ぃ、弱すぎ!)




「あのね・・・」


「あ~あ、本当に惜しかったわ。絶対3本は確実だったのに・・・ひょっとして4本目も乗るんじゃないかと期待してたんだけどぉ・・・」


「・・・・」



(勘弁してくれよ・・・)




やっぱり“女の子の気持ち”というものを理解するのは難しいようで・・・

とりあえず、尋ねた。



「・・・大体、何でそんな事思いつくんだよ・・・睫毛にマッチ棒乗せようって」


「だって・・・乗りそうな睫毛だったんだもん。」


「乗りそうなって・・・」


「それに楊枝じゃ、先尖(とんが)ってて危ないし、割り箸のっけるには長すぎるしー・・・ちょうどいいのって、マッチ棒かなって♪」



「そういう問題・・・?」(滝汗)



(僕が聞きたいのはそういう事じゃないんだけど・・・)




論点がずれた答えを返されて、ジョーは言葉を失う。


乗りそうな睫毛だからといって、寝ている間にマッチ棒を乗せられるという、このシチュエーション。

やっぱり理解の範疇を超えている。


それって単に、暇だから遊ばれた・・・という事ではないのだろうか?




(女の子って、わっかんないなー)




そんな事を思いながら、フランソワーズを見ていると、ようやくマッチを拾い上げ終えようとしていた。

彼女は彼女で、口には出さずにひとり語ちているのだが・・・彼は知る由もない。





(まったく・・・

せっかく家事仕事終わって一段落ついたのに、ジョー、寝てるんだもん・・・ つまんないじゃない!

今日は天気もいいから2人でどっか出かけられたらなー・・・て思っていたのに!

そういうの、全ッ然わかってないんだから!!)









拾い集めたマッチを、箱にしまうフランソワーズ

彼女を横顔を眺めながら、ジョーは思った。







(しかしなー・・ 睫毛長いって言われても、あんま嬉しくないよな・・・女の子じゃあるまいし・・・


それに、睫毛長いのは、彼女の方じゃないか。

あの、蒼くてパッチリした瞳を引き立たせてあまりあるような、あの長い睫毛・・・

よく見ると、くるんとカールまでしてて・・・ 可愛いよな~・・・////


化粧もしなくてあんなに可愛いなんて、彼女くらいなもんだよな。うん。(←ノロケ?)


彼女の方こそ、マッチ棒、たくさん乗りそう・・・)



と、考えて、ピンッ!と、来た。



「フランソワーズ」


「え・・・? きゃあっ!」



ドサッ!




・・・・ジョーも、思いついたら行動が早い。

ソファーから立ち上がった次の瞬間、彼女の腕を掴み、自分の胸へと抱きとめていた。





「ちょ・・・ジョーッ?! 何を・・・あっ!」



フランソワーズが抗議の声をあげる間もなくソファーに仰向けに横たえさせる。

彼女の顔を見つめながら、ジョーは言った。



「僕の睫毛が長いというけど、君の方が遙かに長いじゃないか。」


「え・・・?」



ドキッ


あまりに間近にジョーの顔が近づいた為、フランソワーズの胸が高鳴る。

そんな動揺を見抜いているのか、いないのか、気が付けばジョーは悪戯っ子のような顔になっていた。



「君の方がマッチ棒、乗りそうだ。僕にもやらせろ!」


「え・・・きゃあっ!」




彼女の手に握られていたマッチ箱を取り上げ、中から素早く何本ものマッチを取り出す。

それを強引に彼女の顔に近づけた。





「いやん! ジョー、やめて・・・」


「ほらほら、暴れない♪」


「ヤダったら・・・!」


「暴れちゃ、ダメだったらッ・・・」


「やめてったら・・・!」


「ダーメ!!」



首を振って、彼女は抵抗する。

それでも、ジョーは力ずくで、フランソワーズの睫毛に、マッチを乗せていった。




「いやぁん・・・」


「さんざん、僕の顔で遊んだんだから、お返しだっ!」



「くすぐったい・・・ やめてよー・・・」


「君も確認しとかないと・・・ね?」


「もう、ばかぁ・・・・うふふ・・・」





最初は抵抗していたが、次第に言われるがままに、マッチ棒を乗せていく。

そのうち、彼女も協力的になって、何本乗るか・・・と、挑戦していった。



で、



「1っぽ~ん、2ほ~ん・・・・5・・・ほ~ん・・・

わぁ、すごいや・・・フランソワーズ、5本も乗ったよ。もう一本乗るかな、6っぽ~ん・・・」


「も、もうだめ、限界! 目を開けていられないッ!!」



パチッ! バラバラバラバラ・・・



ギネスもん(?)の6本目を乗せようとした時、瞬きして、マッチがあたりに散らばる。

それを受け止める事もできず、「あ~あ」と、ジョーはがっかりしたような声をあげた。(<その前に、目ぇ開けたまま、マッチ棒乗せるってのもドーヨッ!)



「もうちょっとだったのに・・・ダメじゃないか、フランソワーズ・・・」

「ごめんなさい。でも、もう限界だったんですもの。あー、目がショボショボする」

「ああ、ダメだよ、そんなに擦っちゃ・・・」




ドライアイになりかけた瞳をゴシゴシ擦る彼女を、慌てて制止するジョー。
手首をそっと掴み、目から外させた。




「どれ・・・ 

ん、大丈夫。目は赤くなってない。 ダメだよ、擦っちゃ。

傷ついちゃうからね。」


「うん・・・////」





彼の手がそっと頬を支える。


ホッとするというか、安心するような、暖かい気持が湧き上がり、しばし見つめ合う。


何となく甘いムードが漂い、自然な流れでいくと、そのまま・・・・





『フランソワーズ・・・』


『ジョー・・・』





お互いの名を呼び合い、顔が近づき・・・ 







Chu・・・







てなコトになるのだが・・・








だが・・・・・














・・・・・・・











「もう一回やってみようか♪」


「そうね♪」









・・・・・・・・・・・・(-"-;)











リベンジ!



ジョーの手には、再びマッチ棒が握られた。




「じゃあ、いくよ、フランソワーズ♪」


「待って・・・・ 

今度は、ジョーの睫毛に乗せてみましょうよ♪ さっき、途中だったし♪♪」


「え~~~~~!」


「いいじゃない♪ 私、まだ目がショボショボしているんだもの♪♪」


「しょうがないな~」





そして、再度始まる。




「1っぽ~ん、2っほ~ん、3ぼ~んっ・・・4・・・」




バラバラバラ・・・・




「あ~あ・・・ やっぱり、ジョーは3本が限界かー」

「しょうがないよ。僕は君ほど、睫毛長くないし・・・ じゃ、今度はフランソワーズね♪」


「うん♪」



「1っぽ~ん、2っほ~ん・・・」






エンドレス・・・







・・・・・・・・・・・・・・・・・・(-"-;)








と、いうわけで、ギルモア邸は、今日も平和かも・・・???<ヲイッ!!!






(おしまい)



おまけ>>






まっくさまからのコメント

おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいぃっっ!!


何でやね~~~~~~んっ!!!


お前ら、kiss くらいしろよッッ!!(嘆)


普通、そこまで甘いシチュエーションに持ち込んだら、チュウするだろ!チュウッ!!


そうだ! Chu! の1つや2つや3つや4つ・・・<落ち着け!


どぉして、こうなるんだよぉぉぉぉぉ~~~~(T.T)



ああ、当初の予定が・・・ この後の予定もあったはずなのに・・・・(困惑)

このカップルって、カップルって、カップルってぇ~~~~~~~(号泣)




勝手に動くな、キャラクターっ!←おのれの力量不足


でも、こんな風にお話の神様が暴走するのって、『スカール閣下の・・・』以来だな~(シミジミ・ぼそッ)


やっぱ、平ゼロのジョー&フランで色気だそうと思うと無理があるのだろうか???



って、事で失礼しました。




お礼

「ドルフィンジュニア」のまっくさまから春の頂きものを頂戴してしまいました!(狂喜乱舞)

春のお二人、本当にいいムードなのに・・・・結構期待したのに、最後は『びっくり日本新記録』ですか・・・(ひゅるるるるる・・・)


記録、それはいつも儚い。
一つの記録は、一瞬のうちに破られる運命を自ら持っている。
それでも人々は記録に挑む。
限りない可能性と、ロマンをいつも追い続ける・・・それが人間なんだ。
次の記録を作るのは、あなたかもしれない


あのあまりにも有名なナレーションとドラマチックな音楽(女性の合唱だったような・・・)が脳裏をよぎり、 スローモーションで記録に挑む2人の姿が目に浮かびました。 2人が見詰め合い、爽やかな汗がキラリと光るのはお約束。(若い方お分かりになりませんよね、すみません。私あの番組のファンだったもので)

それにしても、睫毛にマッチ5本とはさすがです>お嬢さん
お嬢さんには敵わなくとも3本も立派な記録です>ジョー君

さすがサイボーグは睫毛ひとつも剛性があるんですね。(-_-;ウーン
何のためですか?>ギルモア博士
ついでにお嬢さんの髪に割り箸は何膳乗る仕様ですか?


まっく様、ちょっとドキドキの楽しい話をありがとうございました♪
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