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バースデープレゼント  (ピュン誕Comments(0) )

8のお誕生日が始まります。
最初のSSは小ネタ。2008年限定なお話です。




「・・・・いろいろ考えたんだけど、やっぱり君にはこれがいいかなって・・・」


 揺れるろうそくの向こう、遠慮がちにジョーが微笑んだ。
 彼の隣にはフランソワーズとイワン、張々湖、ブリテンそしてギルモア・・・仲間全員が揃うことは無かったが、それでも心温まる誕生日の夜。テーブルは張々湖とフランソワーズが腕を振るった心づくしの料理に埋め尽くされていた。
 ピュンマは差し出された小振りな箱を受け取り、満面の笑みを浮かべた。
「いつも、いつも、ありがとう」
「いや、僕たちの気持ちさ。気に入ってくれるといいんだけど」
「君たちが選んでくれたものだよ、気に入らないわけが無いじゃないか」
 渡された箱は文庫本ほどの大きさで、彼好みの包装が施されている。プレゼントは見た目以上に軽くて、中身の予想が全くつけられない。
「開けてみてもいいかな?」
「もちろん」
礼を言いつつ箱を開けたピュンマの表情は、しかし、にわかに曇った。
「こ、これを僕が・・・・?」
「気に入らなかった?」
「い・・・いや、君たちが選んでくれたものだもの・・・。そんなわけ、ないじゃないか」
そう答えてみるものの、どこか白々しさが漂う。
「ごめんなさい・・・、色は選べなかったのよ。その・・・1色しかなかったから・・・もちろん、赤が一番だとは思うんだけど・・・」
「いや、別に赤が好きなわけじゃないけれど・・・というか、色の問題では・・・」
絶句するピュンマにグレートが肩を叩く。
「なぁ、若者よ。色が気に入らないからと言ってそんな顔をするもんじゃない。これは本当に品薄だから、手に入れるのは大変だったんだぞ。それこそ、我輩が母国イギリスまで行って来てだな、手に入れたのだから」
「今、話題アルからね~~」
「とにかく・・・ありがとう」
 トーンダウンしたピュンマは言葉ほどにはありがたくなさそうに、箱に納められているそれの端を引っ張り出した。小さな箱からズルズル姿を現したのは、黒一色の長い長いつなぎ。部分的にグレーに色付けされているものの、それらが目立つわけもなく、どこからどう見てもやっぱり黒一色。そして胸には最近テレビで毎日見かけるおなじみのロゴが鮮やかな白で印刷されていた。
「これを僕が着るのかい・・・? とても小さいように思えるけど・・・」
「キツイのは仕方無いアル」
「仕様だからな」
「でも、サイズが合わないなら返品してもいいってさ!それよりも、着て見せてよ!!」
「着るんだったら、誰かに手伝ってもらわないと・・・」



 数十分後―――



 黒いスイミングスーツ姿のピュンマが姿を現した。

「似合うわぁ~~。素敵よピュンマ」
「本当、君のために作られたって感じだよ」

 皆の感嘆の声にもピュンマの沈んだ表情は変わらない。身体中が締め付けられるようにきつくて、自然、表情もこわばってしまうのだ。
 もうお解かりだろう。彼が身に纏っているのは、世界中で話題になっているあの魔法の水着・・・・イギリス某社製のアレである。連日放送されているオリンピックでは山のように見かけるが、一般人が入手出来るのはせいぜい11月ごろだとか。それをこんな時期に手に入れたのだから、ファンにとってはたまらないはずだった。しかし生憎、ピュンマに競泳の趣味は無い。
 浮かない顔のピュンマにフランソワーズの表情も曇った。
「やっぱり・・・赤が良かった?」
「赤って・・・もしかして・・・、君たちは戦闘服としてこれをくれたの」
「そうなんじゃ、君の性能を存分に生かすためにこれが最適じゃとイワンの奴がいうのでな・・・」
「・・・って、何のために?」
「速ク泳グタメダヨ。コレサエ着レバ、海ノ中デ、誰モ君ニ追イツケナイ」




「キツ過ぎて、陸上の戦闘にものすごく差し支えそうなんだけど・・・・」







誕生日のブツがこれですみません~~~(涙)
思いついたが最後、書かないわけにはいきませんでした。オチなんてミエミエだったとは思うんですが、期間限定ネタでご容赦ください。
どうでもいい話なんですが、1500メートル自由形優勝した、チュニジアのメルーリ選手、8っぽいと思いつつ試合を眺めていました。008年の五輪に8っぽい人が優勝するなんて、素敵な五輪でした♪
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